撮影心得
肖像権 | 肖像権の問題からスナップ写真を敬遠する方も多々見かけます。作家協会のセミナーで、「松本徳彦」先生の「肖像権」に関する講演でお聞きした内容を、ここに掲載します。恐れずにスナップ写真にチャレンジしましょう。 |
写真技法 | 日頃撮影時に注意していることを、思いつくまま列記しました。 |
肖像権 | |
肖像権について | 最高裁は「何人も承諾なしに、みだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を有する」という肖像権に関する基本的な考えを示しています。詳しく言うと「人には撮影拒絶権がある」「撮影された肖像写真を勝手に利用されない権利、利用拒絶権がある」「肖像写真の利用によって肖像本人の財産権が侵害される場合がある」また著名人の場合自分の名前や肖像を独占的に利用できる「パブリシティー権」があるとされます。厳密に言えば、撮影する前に被写体となる人物に[撮影目的]「使用目的」を説明して許諾を取らなければなりません。また未成年者であれば保護者の許諾が必要です。 撮った写真の著作権はあなたにあります。ですからあなたは自由に使用できますが、許諾を得ていない場合は問題が起きる可能性があります。特にコマーシャルや高額の賞金が出るコンテストは注意が必要です。もちろん、公序良俗に反したり名誉を傷つける恐れのある写真は、発表してはいけません。 写真は撮影した時点で著作権が発生します。わざわざ登録する必要はありません。保護される期間は 「作者の死後50年間」です。無断使用されないために氏名表示をしましょう。 |
トラブルを避けるには | スナップする時は、正々堂々と被写体になる人物に、いま撮影していますと分かるように態度を明確にして撮りましょう。逃げ隠れせず、質問されたら撮影目的を説明し、承諾を得るようにしましょう。断られたら撮影を中止し、撮ったものも使用を控えるのがマナーです。 事前に意図を説明して撮れれば良いのですが、不自然な表情となることがあるので、撮った後で承諾を得るようにしましょう。会釈して「暗黙の了解」とする場合もありますが、使用にあたっては十分に注意が必要です。 適法かどうかも大切ですが、相手が不快に思わないかという人間として当たり前の思いやりを持つこ とがもっと大切です。写される人の立場に立って考える習慣を持ちましょう。 |
写真技法 | |
1に被写体 2にフレーミング 3に構図・構成 4にシャッターチャンス |
1.被写体には写真になる被写体と、ならない被写体がある。また、光と影・色彩・凹凸をよく見る。 2.フレーミングは被写体の大小、上下、左右を考える。余計なものは入れない。被写体は絞り込む。 (写真はマイナスの芸術) 3.構図・構成は被写体の位置やアングル、主役と脇役の配置などがある。 4.シャッターチャンスは表情・動作。 (1.2.3.の項目は鍛錬により上達するが、4項は運・不運が左右する。 ただこの偶然も、撮影回数に比例するので、多く撮影に出かけることが重要である。) |
露出 | 露出は作画意図の重要なファクター。 (適正露出で撮ることが基本となる。私の場合は-0.3を適性露出と考えて、露出を決めている。カメラの特性も考慮し決定すること) |
シャッタースピード | 適正露出は、絞りと、シャッタースピード、ISO感度で決まる。私の場合は、被写界深度を優先し絞り優先を選ぶことが多い。動いているものはその速さに応じてシャッタースピード優先を選ぶ。 (人間が目視出来るのは1/30秒程度。) |
祭りを撮るな。祭りで撮れ。 | 祭りそのものに目を奪われ、カメラを向けて仕舞いがち。そういったものにはあまり写真にならない。 祭りを楽しんでいる氏子の家族や、その場の雰囲気の中に、被写体がある。 |
主役・脇役 | 主役と脇役を考える。主役は真ん中に置かない。主役と脇役は1直線上に置かない。主役は重なりを排除する。 舞台(背景)を決めて、そこに脇役が来るまで「待つ」ことも必要である。主役と脇役にはの「間」が重要。 |
群集・群生は上から | 群集・群生は上から見下ろして撮る。被写体は重なってはいけない。 (目線の高さからでは群集・群生が団子になって、全体像が捉えられない。) |
広角は誇張感、 望遠はボケを生かす。 |
広角は遠近感が誇張されるので、その特性を生かした撮り方が必要。その為、広角は絞って撮る。 望遠は被写界深度が浅いので、絞りは開放ぎみに撮る。背景や前景のボケを利用する。 |
背景はスッキリと整理する。 | 背景はスッキリと。ゴチャゴチャしてはいけない。 |
ストロボ(スピードライト) | ストロボには向きを左右、上に変えられる。この機能を利用すること。 また、焦点距離をマニュアルで変える機能も利用すること。 (広角レンズにおいて、焦点距離を大きく(望遠側)にすることで、照射範囲を狭める効果が得られる。) |
スローシンクロ | スローシンクロではストロボの光量は適性より(−1)アンダーで。同じ適性で撮ると動きが見えない。 |
日中シンクロ | 背景を落とす日中シンクロはSS=1/250以下が鉄則。これより早いとシンクロせずにストロボが発光しきる前にシャッターが落ちてしまう。絞りは基本的にf11まで。これ以上絞ると回折現象をおこして解像感が落ちる。 |
マクロレンズ | マクロレンズで花をクローズアップして撮る場合は花全体にピントが必要なので絞る。(f8〜11) 小さな花(あじさい・さくら・梅等)はマクロには向かない。チューリップのような大きな花が向いている。 |
写真に入れてはいけないもの | @人工物(電線・鉄塔・標札・電柱・看板・ガードレール・立木の添え木等) Aジュース缶はメーカー名が見えないように。 B白い部分(部分的な白い空等)は注意がそちらに向いてしまい、散漫になるので極力入れない。 C背景の無駄な部分(単独でその部分を見て意味のなおもの)は画面に入れない。 |
被写体になるもの | @犬は洋犬より和犬(柴犬) A子供は小学生まで B老婆 Cセーラー服の女学生 D祭りのハッピ E昔のもの(茅葺き屋根・虚無僧等) F光と影 G色彩 |
被写体になりにくいもの | @神輿・だんじり A祭りの行列 |
花 | 逆光で撮る。また、花の高さから。鏡、霧吹、バック紙、セロファン等の小物も利用する。 |
形 | 被写体が枝等の棒状のものは垂直や水平に置かない。対角線上の斜めが良いが、 人間や道などS字形になったものは更に良い。鳥の形は羽を広げ羽が「への字」に曲がったところが良い。 |
火 | 火を構図内に入れる場合は、露出はマニュアルにして、火に露出を合わせる。 そうすることで、火をどこに入れようと、露出を間違うことは避けられる。 夕日や、特に明るい部分を画面に入れる場合も同じである。 |
ホタル | ホタルは20時〜21時、気温24℃、湿度80%で飛ぶ。ISO400,絞り4、5分〜10分(バブル)で撮る。 長靴、三脚は必需品。 |